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紀南抄「冬」

 冬を迎える。皆さんの冬の記憶はなんだろうか。幼少期の私にとって冬の訪れを伝えてくれたのは、やはり地元北海道でのある初雪の日であった。朝、寝起きの悪い私の肩を母がたたき、「雪だよ」と教えてくれた。窓の外を見ると、冬越えの準備で木々たちが葉を落とし昨日までガランとしていた庭に大粒のぼたん雪がしんしんと降りしきり、風景を真っ白に一変させていた。断片的な記憶だが、おさなごころに感動したのを覚えている。

 川端康成の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」は非常に有名な一節。それまでの日常を抜け出し別世界へ来てしまった情景が、高揚感とある種の不安定さとともに静かに伝わってくるが、私が特に好きなのはその次の「夜の底が白くなった」という表現である。雪国ではたしかに、月明かりに照らされた積雪が「夜の底」を白く見せるのである。

 熊野での冬は私にとって2回目。この熊野で過ごしている現在もいつかこんなふうに振り返ることがあるのだろう。しかし今思い浮かび上がる言葉は「夜の底」より「底冷え」である。そろそろ押し入れの小さなヒーターを引っ張り出そうか。

【稜】

      紀南紗

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