秋が深まりつつあり、過ごしやすい日が随分増えてきた。読書には最適の季節。新宮市の丹鶴ホールでは先日、本のすばらしさを再認識してもらおうと読書推進フォーラムが開かれた。絵本作家の長谷川義史さんによる講演では、即興で絵を描きながら物語を展開する「絵本ライブ」の実演があった。
長谷川さんによると、絵が完成するまでの過程が子どもたちに大ウケなのだという。そういわれれば美術系にはまったく無縁の私でも、絵のメイキング動画をたまに見ることがある。完璧に仕上がった絵ももちろんすばらしいが、どんなものが出来上がるのかな、どんな風に変化していくのかなというワクワク感や完成した時の感動は、大人にとっても非常に楽しいものである。
「何を描いているのでしょうか?」と、恐ろしく絵心のない私が描くイラストを子どもたちが当てるという、拷問のようなクイズをやたらとせがんできた時期があった。しかし、子どもにとってクオリティはあまり関係ないのかもしれない。保育園児が描いたような出来ばえであろうとも「お母さんすごい上手~」と褒めてくれるのだから。
【織】