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紀南抄「秋の訪れ」

 大型で猛烈な勢いのまま日本列島に接近し、上陸する前から最大級の警戒を促されていた台風14号。私自身、水害の多い土地に住んでいることもあり、11年前の大水害が頭をよぎって2~3日前から気が気でなかった。知人は、雨戸をぴったり閉めて外出も控えて「いつでも来い」と構えこんでいたらしい。特別警報が発表されるなど、九州などでは大きな被害があったが、当地方では思ったより風雨も強くならずホッと一安心。

 台風が過ぎ去った翌日は青空が広がり、久しぶりに気持ちの良い天気となった。日中は暑かったが風が心地よく、朝晩は寒いぐらいで秋の訪れを感じた。道端ではヒガンバナが真っ赤な花を咲かせている。暑さ寒さも彼岸まで。これから一雨ごとに秋が深まり、冬に向けて季節が進んでいく。

 秋の彼岸の秋分の日は、東京の平均気温が約20℃ぐらいなのに対して、春分の日は約10℃だそう。昼と夜の長さは同じなのに不思議な感じがする。地球上の空気が温まったり冷えたりするのに時間がかかるからだそうで、このため冬から迎える春分の日より、夏から迎える秋分の日の方が気温が高くなるという。

【織】

      紀南紗

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