生きる上で余白を作ることは大切だと思う。
取材をする前、私はあらかじめ聞きたい内容をメモしておいて、それを基礎として取材を組み立てる。しかし、取材時はそれをあてにはしない。「聞かなければいけないこと」で頭を埋め尽くしてしまうと、「聞きたいこと」に興味を持つ余裕がなくなってしまうのである。記者が興味を持っていない記事は全然面白くない。脳に余白を作ることで、最低限の仕事から一歩踏み込んだ付加価値のある仕事につながる。
スケジュール管理でも余白は必要である。例えばその日1日のスケジュールをぎちぎちに詰めて組んでしまったら、想定外の出来事に対応するだけで全ての予定が狂ってしまう。予定にあえてなんの意味もない空白の時間を作ることで時間管理がうまくでき、精神的にも余裕が生まれる。
そのほか異なる職種でも受験でも、引っ越しや家事などのプライベートの仕事でも、人とのお出かけでも、あらゆるところで余白は大切である。もし何かに追い詰められているような精神状態ならば、余白を作る隙がないか確認してみてほしい。「余白力」も生活力である。
【稜】