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紀南抄「論理と感覚」

 中学生のころ、「自分」とは何なのか、ずっと考えていた。例えば花を見てきれいだと感じたとして、それを感じている人を自分だと呼んだ場合、ではその自分を観察している人は誰なのだろう。その観察している自分を自覚している人は誰なのだろう。自覚している自分について考えているのは誰なのだろう。そういう思考のループをしながら、帰り道をとぼとぼと歩いていた。
 
 今は少しだけ考えが進んだ。おそらく、思考の中には自分はいないのだと思う。思考とは論理的に物事を組み立てて一つの結論を形成することだ。「論理」は常に客観性を求める。そこでは「花に感動している」という自分をあたかも他人のようにして扱わなければ、論理的には意味がなくなってしまう。
 
 しかし、人は主観的に生きている。論理に対して「感覚」を持っている。現代に生きているとあたかも論理で世界の全てを説明できると勘違いしてしかねないが、人は情報を感覚以外から受け取ることはできない。ならば、世界の真実は客観ではなく自分自身の主観の中にしかないのではないか。
 
 「桜はきれいだ」と感じ心が動く自分を、大切にしたい。
 
【稜】

      紀南紗

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