先日、三輪崎保育園の園児らが新宮警察署を社会見学で訪れた。警察官が「おまわりさんは好きですか」と尋ねると、「ばりすきー」と答えている子がいた。どこの地方にも大体共通して方言として存在するものに、「とても」の言い回しがある。新宮市では「ばり」がそれに該当するようだ。
国内では北海道と沖縄に住んだことがあるが、北海道では「なまら寒い(とても寒い)」など、「なまら」と表現する。どういう変化があったらそうなるのかと思うほど、「とても」「すごく」などとはかけ離れた言い方である。
沖縄県では、県内でもさらにいくつかの言い方に分かれる。比較的有名なのは「でーじ」だろうか。「でーじにりー」といえば、「とてもめんどくさい」という意味になる。また、「しに」というのも一般的だ。沖縄時代のアルバイト先で、地元出身の人が「しにレッドブルかじゃー」と言ってバックルームに戻ってきた日の衝撃は忘れられない。「しに」も知らなければ「かじゃー」も知らない時期であった。訳すと「とてもレッドブルのにおいがする」となる。
今後もあらゆる地域の「とても」の方言に注目していきたい。
【稜】