新宮市議会12月定例会最終日の18日、議員定数1の削減案が議員発案で上程され、全会一致で可決承認した。定数は次回選挙(2027年4月)から14となる。
同議案は、中山忠吏議員が提案者となり、湊川大介議員、月輪匡克議員、百村匡洋議員、𠮷良康利議員の4人が賛成議員として提出した。議員定数削減を巡っては、2023年6月に「議会改革調査特別委員会」を設置し、約2年にわたり、適正な議員定数について調査・研究を行ってきた。慎重に議論を尽くし意思の集約に努めたが、最終的に全委員による一定の結論を得るには至らなかったとして、委員会からの定数改正の提案は見送り、今年6月で特別委員会での調査を終了していた。
中山議員は、県内や近隣の同規模他市の議員定数は13~14で、今後議員定数の削減は避けて通れないとし、市議会の常任委員会が十分な議論・統制が取れる数を考慮してまずは来期、定数1減とする改正を提案したと説明した。
質疑では、福田讓議員が「2人削減の考えはなかったのか」と質問。中山議員は「議論の中で2人減は現実的ではなく、少しでも前に進めるよう、1人減を提案した」と答えた。
討論では4人が賛成討論。福田議員は「1人削減により、4年間で2400万円の一般財源が節約できる。これを子育て・高齢者福祉、教育などに充当できる。経費削減と行財政改革は避けて通れない。市民の代表である議員が率先して経費削減に務めるのは当然のこと。定数削減を不安視する声もあるが、平素から市民の声を聞き、市政の健全な発展と市民福祉の向上のための努力を怠ってはならない」。
月輪匡克議員は「現行の15人体制は、議長を除いた14人で審議を行う際に賛否が同数となる可能性が常に存在するねじれ定数。今回の定数削減により、明確な多数決原理が確立され、議会機能の安定化と意思決定の透明性確保という観点から合理的な制度改正である」。
竹内弥生議員は「議員削減案は私の信念。4年前は否決となったが、議会改革特別委員会でしっかりと検証し、社会情勢が厳しい中で、われわれが身を切る改革をして、覚悟を見せる。選挙は厳しい戦いになるが、議員とは何たるかを考え精進し、自らの行動・言動に責任を持たなくてはならない」。
𠮷良康利議員は「議員の人数が多いという市民の声をいただき、選挙の公約として掲げた。人口が減り続ける中、今が議員削減のタイミングと考える。今後いろいろな政策を進めるためにも財源が必要。市民の生活が苦しくなる中、議員自身が身を切る改革を進めていかなければならない」。
反対討論はなく、原案通り可決された。
向井副市長が任期満了で退任
定例会の全日程終了後、2期8年務め、今月21日の任期満了をもって退任する向井雅男副市長があいさつした。「議員より指導、助言、叱咤激励の言葉をいただいたことで、さまざまな課題を乗り越えられてきた」と感謝を伝えた。
上田勝之市長に対しては、「健康にご留意いただき、市民の幸せのためにご尽力いただきたい」。また市職員に「働くことへの誇りを胸に精いっぱい仕事をして、一丸となって市長を支えて」と激励し、「多くの方々にお世話になり、ありがたさをかみ締めている。未来につなぐ市の発展と議員各位の活躍・健勝を祈念し、心から御礼を申し上げる」と述べた。
