復旧のめど立たず、広域迂回必要
有田川町修理川地内の国道424号で6日午前、山の斜面が約30メートルにわたって崩れ、同日午前10時から全面通行止めとなっている。7日正午現在、復旧のめどはたっていない。
当時、現場を車で通りかかり、崩落寸前で回避した那智勝浦町の女性は「道路に土が落ちているのが見え、これは危ないと思い車を止め、バックし始めたところ、崩落が始まった。少しでも時間がずれていれば巻き込まれていたので怖かった。しばらく体の震えが止まらなかった」と振り返った。女性はすぐに警察に連絡するとともに、後方の車両に合図を送るなど、警察官が現場到着までの間、交通整理にあたったという。
県有田振興局建設部によると、50メートルほどの高さから崩れた。周辺の約680メートル区間が通行止めとしているが、近くに迂(う)回路はなく、県道御坊美山線や県道吉備金屋線など迂回路への分岐となる箇所に看板を設置し、通行止めと迂回に協力を呼び掛けている。新宮市方面から和歌山市方面に向かう際によく利用される路線でもあり、新宮市内の国道42号や168号に設置の電光掲示板でも情報を表示している。
県は現場の調査を進めているが、倒れた電柱や電線が土砂に埋まり、すぐに土砂を撤去できない状況。また、このところまとまった雨は降っておらず、崩れた原因についても専門家なども交えて慎重に調べる。復旧に向けては、まずは土砂を撤去し、防護柵を立て、安全が確認できれば片側交互通行とするが、時期の見通しは立っていない。
県によると、有田川町と日高川町を結ぶ国道424号は、2021年度の調査で1日あたり約1250台が通行している。