馬越峠にはツアーも
熊野古道伊勢路一斉クリーンアップ作戦が7日、行われ、保全団体や熊野古道サポーターズクラブの会員、協力団体のほか保全体験ツアーの参加者など約170人が、古道の清掃や修復などに取り組んだ。
熊野古道の保全について多くの人の関心を高めるとともに、熊野古道に関心・愛着を持つ人を増やそうと三重県が企画し、毎年この時期に行っている。今回は大紀町から紀宝町まで9か所で実施。紀北町の馬越峠では県の委託で三重交通が保全体験ツアーを組み、32人が参加。海山熊野古道の会のメンバーや県職員、協力会社の従業員ら合わせて57人が、道の維持活動を行った。
多くの場所ではごみ拾いや枯れ枝、落ち葉の除去、看板の拭き掃除などを行ったが、馬越峠では古道の石畳の〝修復〟が主な活動で、夜泣き地蔵から峠の頂上に向かって300~400メートル区間で、5班に分かれてイノシシに掘り返された石畳の端を整備した。
掘り返されてグラグラしている石をいったん除け、砂や枯れ枝などを取り除いてから、上側ができるだけ平らになるように石を組み直し、隙き間に小さい石を入れてできるだけ固定した。
海山熊野古道の会の玉津充代表は「今年は特にイノシシが多い。毎月1回活動しているが、参加できるのは8人から10人くらい。多くの人が手伝ってくれてよかった」と話していた。
熊野古道伊勢路沿線では20の保全団体が活動しているが、少人数でかつ高齢化している。将来に向けて保全を継続するための仕組みの構築が急がれている。