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夢の果てイメージして 先輩から仕事の話を聞く 潮南中

 紀北町立潮南中学校でこのほど、進路講話が開かれ、1、2年生62人が地元で働く社会人から仕事や生き方についての話を聞いた。
 
 三重紀北消防組合の淺尾喜之さん、アオサノリ漁や観光業を営むみやまやの西村友一さんが講師を務めた。2人は同校出身者で、町内の働く人を紹介する「しごとカード」にも掲載されている。
 
 淺尾さんは「自分は何も考えずに学生生活を過ごしてきた。勉強せずにいたから今でも仕事で地理などを覚えるのが苦手。勉強は頭のトレーニングで、もっとやっておくべきだった」「水泳をやっていたことが、今の水難救助隊潜水隊長につながっている。指導に関わることも多く、出会ったいろんな人に、困った時に相談にものってもらえた」と振り返った。
 
 後輩へのアドバイスとして「ぜひいろんなことを考えて生きてほしい。目標を持っていろんな経験をすれば、考える力がつき、将来必ず役に立つ。無駄なことなんてない」「いろんな人と出会ってほしい。大学や専門学校で一度は外を見てみるとよい」と呼び掛け、「そして、地元に戻ってきてください」と締めくくった。
 
 西村さんはアオサノリ漁や貸し別荘、キャンプ、マリンレジャーなど手掛けている事業を紹介しつつ「仕事や職業は手段で、大事なのはその先にどんな自分になりたいか。夢の果てをイメージすると原動力になる」と語った。
 
 「地元に帰ってきても閉塞感があって、このままで終わりたくないという気持ちがあって一次産業に飛び込んだ。季節ごとに働いて、長期間休んで旅行に行く生活を見て、新しい働き方の最先端にいた」「アオサノリ(の出荷量)は三重県で全国の7割を占め、その中でも矢口浦は高品質。自分は何者でもないが、よい物を作れば評価され、社会は必要としてくれる。町も人口減少が進んでいるが、裏を返せば、その中でも必要とされる生きがいを感じやすい」と述べた。
 
 質疑応答では、生徒から「もし時間が戻ったら今の仕事に就くか、別の仕事をしているか」との質問があり、淺尾さんは「また今の仕事をする。自分の行く場所には命がかかっていて、誇りのある仕事」と断言。西村さんは「答えにならないかもしれないが、興味あること、やりたいことはいっぱいある」と回答した。

      紀北町

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