みえ熊野古道商工会の新春賀詞交歓会が7日、紀北町城ノ浜のホテル季の座で行われた。役員、来賓ら約80人が出席し、会食しながら歓談して地域経済の維持発展などへの思いを新たにした。
藤村達司会長は直近の地域経済について「大きなトラブルなく平穏に推移している」と語った上で「労働力不足が深刻な課題になっている」との認識を示した。
同商工会で長年取り組んでいる外国人の受け入れについては国の制度が、研修受け入れによるノウハウ移転など国際貢献から、労働力確保へと視点がシフトしていることを紹介。法律が制定され3年後から新制度が実施されることになっているが不透明な部分が多いとして、早期に見通しが示されることを期待した。
また、外国人実習生らと地域の共生社会実現に向けた取り組みを進めているとし、昨年の駐日ネパール大使訪問につながったとの認識を示した。さらに商工会で受け入れている外国人数が年内にも500人を超える可能性を示唆し、「スムーズな増加を求めていかなければならない」と語った。
今後、拡大が見込まれる観光産業については、各部会横断の観光委員会を作ったことを報告。「行政にも力添えをいただき、観光業界の10年、20年先のことを協議できる場にしたい」と述べた。
事業運営全体については「事業者が安心してなりわいにできるよう、全身全霊を掛けて取り組んでいく」との決意を示した。
紀北町の尾上壽一町長は、外国人受け入れについて敬意を示し「行政としてサポートできることをしていきたい」と述べた。町のデジタル活用推進も紹介。利用が伴わないと成果につながらないとして「皆さま方のお力もいただき、どんどん利用を促進したい」などと述べた。
御浜町の大畑覚町長は、新宮紀宝道路の開通を報告。町内経済に関しては新型コロナウイルス感染症の影響が無くなった後、物価高騰が課題になっていると認識を示し、「コスト抑制が重要。人口減で売り上げを増やしていくのは難しい。行政としてもできるだけ商工会と連携し、支援していきたい」と語った。
鈴木英敬衆議院議員、吉川侑美参議院議員、山本佐知子参議院議員も出席し、それぞれ祝辞を述べた。