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    社説「行政運営への疑念募る」

     御浜町の行政運営は今、町民の信頼を大きく失っている。市木消防車庫建設の突然の中止、志原の津波避難タワー建設計画をめぐる混乱。いずれも町民の命と暮らしに直結する公共事業でありながら、町は説明責任を果たしていない。任期満了に伴い9月に行われる町長選に、現職の大畑覚町長は出馬せず、今期限りでの引退を発表したが、これで幕引きを図ろうとしても町民は納得しない。

     問題の2件はいずれも3月議会で明らかになった。今年度当初予算案に、津波避難タワーの建設用地が決まっていない段階で土地取得費として1000万円が計上。一部議員から「議会軽視」と反発の声が上がり、採決の結果、当初予算案が否決された。消防車庫建設中止に至っては、約1500万円の損失が出たにもかかわらず、議員からの指摘を受けて初めて説明する後手の対応。指摘がなければ予算書の片隅だけに載せて説明する意思もなかったと取られても仕方がない。
     
     問題発覚後も本会議や全員協議会での町長答弁を見る限り、十分な説明とは言い難く、誠意も感じられない。町政の根幹を揺るがす事態であるにもかかわらず、行政は「手続きに問題はなかった」と繰り返すばかりだが、中止は「英断」ではない。むしろ、計画のずさんさを示す結果で、行政の失敗で無駄な税金を使うことになり、住民が尻拭いさせられた形だ。その一方で、本会議で議長が討論と表決に加わった点を捉え「議長には公平・中立な立場が求められる」との認識を示し、議会運営の在り方に問題提起した。これは議論のすり替えではないか。
     
     町長選をめぐっては、先日、前副町長が出馬を表明した。“後継指名”は受けていないとするも、政策面で継承する事業は多い。町長を補佐する立場で仕事をしてきたという点では一連の問題についても責任は免れず、どのように解決していくかを示す必要がある。告示まで2か月を切った。出馬表明は現在1人だけで、選挙戦になるかどうか不透明な状況。過去2回連続で無投票だったが、住民の関心を向けるためにも、どの自治体でも4年に一度の選挙は行われるべき。今回の件で、町民の不安は単なる事業の是非を超えて、行政運営そのものへの疑念へと広がっている。町長選で、町民一人一人が行政のあり方を厳しく見つめ、判断を下す機会になれば。
     

        6月26日の記事

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