尾鷲市立尾鷲小学校(創立150周年)で8日、約50年前に埋められたタイムカプセルが掘り起こされた。中身は11月22日(日)に開くお披露目会で卒業生や市民に公開される。
掘り起こし作業は前日から始まり、7日は北側の花壇をショベルカーで掘り返して準備を進めた。約20センチ掘ったところでカプセルの上部が姿を現し、玉掛けベルトをふたに固定してつり上げられる状態に整えた。
8日は午前9時からつり上げ作業を開始。間もなく地上に引き上げられ、直径約1・2メートルの球形カプセルが全容を現した。材質はFRP(繊維強化プラスチック)で、オレンジ色の外観はほぼ当時のままに見え、汚れや腐食もほとんどなく良好な状態だった。作業を見守った当時の在校生代表の実行委員は「子どものころに見た印象より小さく感じた」と話した。
カプセルは花壇の脇に下ろされ、グラインダーでふたを切断して開封された。内部には除湿用とみられる木炭が大量に詰められており、炭を取り除くと、学年別・学級別にまとめられた作品や個人名を記した袋などが現れた。一方で泥や水に浸かった包みもあり、実行委員からは「現状のまま出てきてほしかった」「確認できない人がいるのは気の毒だ」といった声が上がった。
今後はビニール袋の中身の確認作業を進める。実行委員の一人は「協力してできる限り誰の作品か判別し、本人に返せるようにしたい」と話していた。埋設1年前の昭和50年度卒業生の作品も見つかっている。
このタイムカプセルは創立100周年記念事業の一環として、1977年(昭和52年)3月に当時の全校児童1377人の作文や図画、習字などを収めて埋設された。花壇には「五十年後に掘り出すこととする」と刻まれた記念碑が建っていたが、掘り出し作業のため撤去された。
カプセル本体は児童が見られるよう多目的教室に展示し、中身の作品は11月に体育館で展示する。お披露目会に先立ち現児童に公開するほか、50年前の児童との「ふれあい対談授業」も検討している。
重機を伴う掘り起こし作業の費用は実行委員会で賄う予定だったが、実行委員の一人が勤務する市内の橋本組に作業を委託したところ、同社の厚意で無償で引き受けてくれた。
