北方謙三のハードボイルド小説を二十歳のころから愛読としている身としては、なじみのスナックのカウンターでグラスを傾ける姿に憧れはある。初めてスナックに足を踏み入れたのは尾鷲に来てからで、何度か年長の人に何軒か連れて行ってもらった。なかなか自分で行く、気に入った店を探すとなると、勇気が足りない。
暗い部屋の中で、ものすごく薄めた水割りをちびちびなめているのは気楽だが、わびしいというか空しいというか寂しいというか。
尾鷲コツまみバルを振り返ると、毎年1枚か2枚は行ったことのない店に行くことになっている。普段行かないスナックや料理店にも入りやすい。スナックで、よく分からない雰囲気に流されて、店内全員で尾鷲節を歌ったのは気持ちよかった。人生の思い出の1ページになりそう。
個人的に、コツまみバルは尾鷲を離れた人と再会する場でもある。今年も、尾鷲から異動になったテレビカメラマンと偶然会った。ぜひとも続けてほしいイベントである。
(R)
