新宮市が7月1日(水)から、庁舎内で対応した通話内容の録音を開始することが分かった。市総務課が本紙の取材に対し明らかにした。通話後に何らかの都合で内容を確認する必要がある際、管理職の決裁を経て、職員が聞き返す場合がある。
同課によると、録音の対象となるのは市役所本庁舎と別館の電話回線を利用したすべての通話で、市役所側からかけた場合も録音される。同日以降は代表番号、各課の直通番号に電話すると、録音する旨を伝える自動音声が流れる。録音データは専用クラウドに保存され、職員が聞き返すには総務課長の決裁が必要となる。容量の都合で、保存期間は3週間程度という。データを破棄する基準は今後検討する。
市が職員を対象に実施したアンケートで、8割以上が「迷惑電話」を受けたことがあると回答したことを踏まえ、過度な要求や脅迫など業務妨害につながる行為を抑止するねらいがある。難解な内容の問い合わせに回答する際など、迷惑電話以外の対応にも録音機能を利用する場合があるという。熊野川行政局、三輪崎支所など市の出先機関に関しては、7月以降のシステム導入を目指す。
市総務課の赤木博伯課長は「誰にでも録音を公開するわけではなく、データは厳正に管理される。本当に必要と判断した時しか聞けない体制にする」と理解を求めた。一方で、「『迷惑』の定義付けは人それぞれで、一概に言うことは難しい。真っ当な意見表明をハラスメント扱いするわけにいかない。正当な理由なく1時間以上通話を続けるなど、基準を明文化する必要がある」とした。
10月に労働施策総合推進法が改正され、官公庁や民間企業は、来庁者、顧客等からの暴言や暴行、過度な要求などカスタマーハラスメント(カスハラ)にあたる行為を防止するための具体的な対策を進めることが努力義務化される。赤木課長は「法改正が(録音開始に)直接関係したわけではないが、10月以降は録音以外の対策も内部規定として定め、方針を示す」と話した。
通話の録音は、和歌山県庁が先だって今年1月に開始した。近隣の那智勝浦町も6月1日(月)から予定する。
