1889年(明治22年)の十津川大水害で甚大な被害を受けた熊野本宮大社の移築再建について、復興過程を検証するパネル展が、世界遺産熊野本宮館(田辺市本宮町)で開かれている。4月15日(水)まで。入場無料。開館時間は午前9時~午後5時。
同大社は創建以来1900年以上にわたり、熊野川と音無川に挟まれた中州の「大斎原」(おおゆのはら)に社殿を構えてきた。火災や水害に幾度も見舞われ、そのたびに再建を重ねてきたが、十津川大水害では社殿の多くが倒壊・流出。かつてない甚大な被害を受けたにもかかわらず、短期間で高台にある現社地に移築再建された。
2011年(平成23年)の紀伊半島大水害を契機に、京都大学大学院地球環境学堂の落合知帆准教授らが研究を進め、当時の記録資料や伝承などを分析した結果、被災から約1年7か月という異例の早期復興を可能にした要因が明らかになった。
移築再建に関する体系的な資料がほとんど残されていない中、大社所蔵の絵図や資料、水害前後の写真、社務所日誌などの文献を参考に、被害状況から再建に至るまでの過程を総合的に調査した。移築再建の全体像が詳しく調査され、明らかにされたのは初めて。同大学院工学研究科修士の梶田真司さん(当時)が2021年(令和3年)度の修士論文としてまとめた。
期間中の29日(日)午後1時から3時まで、同館多目的ホールで、落合准教授の講演会が開かれる。入場無料で予約不要。
