「地域の子しっかり支える」
三重県はこのほど、尾鷲高校ら3校で「みえ版フレキシブル高校」を試験的に導入する。令和9年度から、普通科スタンダードコース内に通信制授業も行う〝フレキシブルスクール〟の開始を目指す。
みえ版フレキシブル高校とは、県内の定時制・通信制高校などと連携することで、学びやすい環境を提供する全日制の高校。試験的に導入するパイロット高として、県南部の尾鷲、中勢の久居、北勢の桑名北の3校が県教育委員会から指定を受けた。
フレキシブルスクールでは連携校の松阪高校通信制による授業で単位をとることにより、実技を中心とした対面の授業を1年生は週3日、2年生は週4日にとどめ、3年生は全て対面の授業に移行する。通信の授業は自宅か学校で行う。通信授業による単位認定で必要な規定回数の登校授業(スクーリング)も尾鷲高で行える。尾鷲高校定時制も連携校として、状況に応じて単位習得の授業が選択できる。
尾鷲高校では26日に開かれた紀北地域学校活性化協議会で、フレキシブル高校などについて説明があった。尾鷲高校の髙塚幸誠教頭は「紀北地域唯一の高校として、この地域の子どもたちをしっかりと支える必要がある、というのが一番のポイント。そのためには子どもたちの多様な背景にアプローチできる仕組みが重要」「柔軟な学習スタイルにより、不登校経験者や体調面で朝から通学が子どもたちが安心して学んでもらえたら」と有用性を語った。
出席者の一人、出口隆久尾鷲市教育長は「新しい学校の在り方は、尾鷲高校の魅力の一つになるのでは。不登校に限らず窓口を広げていけば、尾鷲高校に行きたいという子も増えるのではないか。ぜひ頑張ってやっていただきたい」と期待を寄せた。
フレキシブル高校設置の背景の一つに、不登校の児童生徒の増加が挙げられる。県高校教育課によると、40人学級に当てはめれば2.7人が不登校、4.1人が不登校傾向にある。さらに、県内の通信制への進学率がこの10年間で約2.2倍になっており、定時制高校も昼間部の倍率は北星1.34倍、みえ夢学園が午前1.59、午後1.94と受験者が多く、「どの学校でも多様な個性や特性を有する子どもが在籍していて、多様な学習スタイルのへのニーズが高まっている」とみている。
全国でも特に私立の通信制の生徒数が大きく増加しているが、このうちの半数以上の生徒が何らかの通学型コースを利用している。通信制高校生のうち、小中学校や前籍校の不登校経験がある生徒が65.6%で、「通信制の生徒は増加傾向だが、学校に登校して学びたい生徒は多い」としている。
