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社説「“賢く縮む”自治体へ」

 「スマートシュリンク」という言葉を知っているだろうか。日本語に置き換えれば“賢く縮む”となる。人口減少が進む地方の自治体が持続可能な地域を実現するための考え方で、一部の自治体では「スマートシュリンク」の取り組みを始め、成果を上げている。

 人口1万2000人の岡山県美咲町は、公共施設のハコモノを取り壊し、機能をまとめる「賢く収縮するまちづくり」を掲げ、“消滅可能性都市”から脱却した。公共施設の1人あたりの利用コスト、耐用年数などから優先順位をつけ、学校関連、プール、温泉施設、公民館など約60の施設について解体や売却を進めた。新しい施設をつくる際には複数の施設を統廃合して充実。多世代交流拠点には、公民館、図書館、保健センター、社会福祉協議会が一体的に整備されている。学校に関しても、過疎化が深刻な地域で小中学校の義務教育を一体化した義務教育学校を設置。小中学校を一つにすることで、児童生徒数を確保し、学校を地域に残せるようにした。
 
 山梨県早川町の人口は約800人で、全国で最も人口が少ない町だという。人口が減っても安心して生活できる環境を整えることを最優先に、約50の事業の必要性・妥当性を検証。老朽化していた温泉施設の休業を決め、年間約900万円の経費を削減し、見直した予算は住民福祉に欠かせない水道や病院の維持に充てた。
 
 当地方の各自治体も人口減少と少子高齢化が進んでいる。今後、歳入縮小する時代を見据えて、まちのあり方やまちの将来像をどう描くか、将来に負担を残さないよう持続可能なまちづくりをどう行うか、まちの規模は縮小しても住民の生活はしっかり守ることを前提に議論を進めていくことが大切。その際、効率的にスリム化する総論には賛成でも、身近な行政サービスの縮小につながる各論には反対や慎重な声が出ることも想定され、住民には丁寧な説明が求められる。
 
 新年度予算の発表が各自治体で続いており、新宮市の一般会計は過去3番目、熊野市は過去最大を更新と、大型予算が組まれている。物価高騰が続く中、住民の生活支援は欠かせないもの。予算編成にあたり各自治体でさまざまな検討・議論を重ねただろうが、無駄はないか、前例主義で済ませている部分はないかなど、各議会でしっかりと審議してもらいたい。また、「スマートシュリンク」について学ぶため、先進地視察を検討してはどうか。
 

      2月20日の記事

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