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相賀橋架け替え工事難航 県、現時点では見通し立たない

 紀北町の船津川に架かる相賀橋の架け替え工事が難航し、工事完了が遅れることが判明した。工事進捗の報告会が24日、相賀の町生涯学習センターで開かれ、地元住民16人が県尾鷲建設事務所事業推進室から状況の説明を受けた。橋脚撤去のための矢板打設のための岩盤が想定より固く、「完了の見込みは見通せない」と説明した。

 相賀と渡利、引本浦を結ぶ相賀橋は昭和36年に完成したもので老朽化が激しく、10基ある橋脚が出水時に川の流れを妨げる恐れもある。令和3年度の迂回路仮橋設置から当初の予定では概ね9年間の工事期間を見込んでいた。
 
 現在は仮橋が完成して旧橋を撤去している。今年11月から中央部の橋脚2基の撤去のために鋼矢板を埋め込んだところ、矢板の打設に想定以上の時間を要することになった。事前にボーリング工事で地下の岩盤を調べた時点では問題はなかったが、報告会では「大きな転石がある可能性が考えられ、他の橋脚の施工についてもどうなるか分からない」と説明した。橋脚の撤去と新しい橋脚の設置には、矢板打設によって囲みをつくって水を抜いて作業スペースを確保するために出水期間を避けて工事する必要があり、工事期間が限られる。
 
 住民が工事完了の見通しを質問したのに対し、担当者は「当初の予定で言えば本年度末で旧橋脚は全部撤去できる予定だったが、今の見通しでは10基中2基だけになっている。工事を進めてみなければ見通しも答えられない状態」と理解を求めた。
 
 住民からは現在の仮橋による迂回路についても質問があり、「歩行者や自転車での通行は傾斜があって不便」「渡利側が急なS字で不便で、直進の道路をつけてほしい」と要望があり、県は「対応できるのか、よい方法がないのか、持ち帰らせてほしい」と答えた。
 
 漁業関係者からは「これまでも細心の注意を払って工事をしてもらっていて、今後も工法の変更などもあるだろうが、これからも漁業に影響がでないような施工をお願いしたい」との意見があった。
 

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