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奥熊野の昭和の暮らし 古道センターのロビー展

 尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで、熊野市神川町出身で元同市職員の畑中弘生さんが、昭和10年代から30年代ごろの、記憶にある風景を描いた詩画作品が展示されている。のどかな田園風景や、当時の子どもの遊びの様子、木材を運ぶ索道などの絵に、短文を添えた作品が約60点、展示されている。

 畑中さんは昭和9年生まれ。平成3年に不慮の事故で骨髄を損傷し、下半身の自由を失ったが、絵と詩に新たな生きがいを見いだし、ふるさとの記憶を描き続けている。
 
 令和元年5月に『ふるさとの詩が聞こえる詩画集』を、3年8月に続編を発行している。元年2月と2年11月に熊野市文化交流センターで展示会を行っており、好評を博した。
 
 同センターは 「作品には、忘れられつつある生活文化や、生きることへの真摯(しんし)な息吹が込められており、民俗学的にも貴重な記録となっている。奥熊野地域に共通するふるさとの記憶を広く共有し、地域間の文化的つながりを深めることにつながれば。絵と詩が響き合う空間の中で、来場者の皆さまがそれぞれの『ふるさと』に思いをはせ、懐かしさと生きる力を静かに見つめ直すひとときとなれば幸いです」と観覧を呼び掛けている。
 
 期間は来年1月18日(日)まで。大みそかと元日は休館。
 

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