11月、12月で熊野古道の道普請を3度取材した。他の記者も別の取り組みを取材していて短期間に都合4回、紙面に載ったことになる。世界遺産に登録する前の掘り起こしから、現在まで安全に通れるようにしてくれているのには頭が下がる。しかも、ボランティアである。
世界遺産登録から20年が経過。当初から古道の掘り起こしに中心的に関わった人の何人かは鬼籍に入っている。現役のメンバーも高齢化している。
世界遺産に登録されている寺院や行政が関わっている物件は今後もきちんと手が入るだろうし、課題はあるのかもしれないが、白川郷の合掌集落は「生活」であり日々手入れされる。そのような意味では、熊野古道は特殊な例かもしれない。
お遍路のように常に一定数の人が歩けば保全もしやすいかもしれない。以前、紀北町で保全に関わっている人が、例えば宿泊業やガイド業と保全業で生活ができる仕組みを、と言っていた。保全のための資金をどう引っ張ってくるか、今後は非常に大切になる。
(M)
