熊野古道伊勢路のルート上の3か所について国の文化審議会はこのほど、国史跡への追加指定を認める答申を行った。県教育委員会は「どのような形になるか分からないが、知事も議会で答弁しているように世界遺産への追加登録を目指す」としている。
今回指定されたのは、石仏庵(玉城町)、女鬼峠道(多気町)と、八鬼山荒神堂跡および茶屋跡。八鬼山のルート自体はすでに世界遺産となっている。
今回の追加の話ではないが、再建された荒神堂はどのように位置づけられるか。人の手が入った「文化的景観」という観点では、このような建物の更新も文化的資産と認められてよいのではないか。特に今回は、地域の人が厚い信仰心から、浄財を出し合って再建されている。このような在り方は、多くの人が伊勢路を歩いた時代と変わらない、重要な価値だと思う。
東紀州より北側の伊勢路は世界遺産となっていない。断続的にはなるだろうが、伊勢路全体が世界遺産になれば、2大霊場を結ぶ道としてより世界にアピールできるだろう。
(M)
