本格的な年末を迎えると、人やお金の動きが活発になり、犯罪被害や交通事故のリスクが高まるため注意が必要になる。
和歌山県警は、施錠の徹底と特殊詐欺への備えを呼び掛ける。施錠に関しては、在宅中でも玄関や窓の鍵をかけるようにし、長期間外出する場合は新聞を一時止める。自転車などの乗り物は少しの時間でも確実に鍵をかけ、自宅敷地内や集合住宅の駐輪場でも安心することなく施錠を徹底する。
連日のように被害が発生する特殊詐欺については、手口が絶えず変遷していること、悪質巧妙化しており誰でも被害に遭う可能性があることを挙げ、「被害のニュースを見た際は、自分事に捉えてほしい」と訴える。併せて、知らない人からのお金の話、SNS空間だけでの投資話は詐欺につながることを疑い、少しでも不安や不信に感じれば県警の「ちょっと確認電話」(0120-508-878)に相談するよう伝えている。
10日まで、交通安全運動実施中で、啓発活動などを通して呼び掛けているところだが、新宮署管内では先日、2日連続で交通死亡事故が発生した。同署管内の死亡事故は今年6件発生、7人が亡くなっている。この数字は県内12署の中で最も多い。人口比率を考えると極めて厳しい情勢だが、同署では主要交差点などに署員を配置しての街頭活動に一層力を入れている。丸山誠交通課長は「ドライバーに緊張感と気づきを感じてもらうため」と説明する。
今後は帰省客や観光客など他府県からの車が増える。自分はいつも通る慣れた道でも、不慣れなドライバーがいたり、いつもより渋滞していたりする。10分前に出発するなど気持ちに余裕をもって運転することが大切。また、夕暮れ時間が早く、視認性を高めるためにも早めのヘッドライト点灯の実践、歩行者や自転車も反射材の着用や明るい色の服装を心掛けることもお願いしたい。一人一人が交通安全を意識した行動をとれば、おのずと事故は減少する。
世間は慌ただしくなるが、落ち着いた行動を心掛けることでリスクを抑えることはできる。帰省する家族らと特殊詐欺被害防止や交通安全について話をするのもよい。健やかな新年を迎えるために気持ちを引き締めて年末を過ごしてほしい。
