おわせ魚まつりの来場者は主催者発表で約4500人。昨年からは1500人ほど減ったが、海づくり大会による日程変更と悪天候を考えればそこまで悲観する数字でもない。ほかのイベントと比べて見知った顔も少なく、何人かに話を聞いたが市外からで、外国人夫婦もいた。食のイベントの集客力は強い。
切ったそばから配られていく刺し身、肌寒い日にしみる大敷汁も良かったが、個人的には紀州備長炭で焼いた干物が好印象。焼ける音と匂いは食欲をそそり、紀州備長炭として山のまちとしての価値も付与できる。
紀州備長炭は主に和歌山県の名産品として認知されているが、これをなんとか尾鷲の魚や熊野地鶏とセットにして、この地域の魅力としてアピールできないか、という思いはある。地元には海洋深層水とスパイスで漬けこんだハーブフィッシュという干物もある。
まちおこしは多様な分野での仕掛けが必要だが、尾鷲の魅力はやはり魚である。干物をテーマにしたアプローチも有用ではないか。
(R)
