今年は尾鷲市長・市議選に参院選、三重県知事選、紀北町長・町議補選と選挙が続いている。ぐうたらな性格なもので「選挙に行くのが面倒くさい」という気持ちは分からない訳でもない。二十歳になった頃「自分の一票では何も変わらない」と言い訳じみたことを言っていた記憶もある。それでも、送られてくる投票入場券を手にする度、中田厚仁の名を思い出すようにしている。
中田厚仁さんは1993年のカンボジア総選挙の国連ボランティアとして選挙監視員を務め、政府と武装組織の衝突が激しい地域に赴任し、その活動中に命を落とした。総選挙は行われ、中田さんの赴任したプラサットサンボ郡の投票率は99.9%で、投票箱には追悼の手紙がいくつか入っていたという。選挙と民主主義は血にまみれながら、着実に平和をつくってきたと信じる。
国政では与党の2度の選挙の敗北が史上初の女性総理の誕生につながった。先の尾鷲市議選では当落線上で同票となり、くじで当落が決まった。選挙で世界は変わるし、一票は大きい。
(R)
