尾鷲市天満浦の自主防災会が19日、近所住民でともに被災時の避難行動について検討する第1回ワークショップを開いた。地震津波などの災害から身を守るため、地域の危険箇所や安全な避難経路などを書き込んだ防災マップを作る。
同市の「住民主導型避難体制確立事業」で地域の実情を誰よりもよく知る地元住民が自分の手で防災マップを作り、地区内の全戸に配布する。
同事業は平成22年の古江地区から始まり、これまでにセンター(旧出張所)管内を中心に11地区で取り組んでいる。昨年度は行野浦と三木里であり、安全で迅速な避難行動を検討した。
この日は第1から3地区ある天満浦自主防災会の19人が参加し、地区ごとに3班に分かれて机に地図を広げ、増水、落石、建物倒壊の可能性がある危険箇所なども洗い出し、各自避難ルートを確認した。
近所に自力避難が困難な高齢者がいて、自分一人では無理だがどうすればいいかという要援護者対策を話し合ったり、別の班では、2か所ある鉄パイプの避難階段を使って逃げたいが「海抜表示が欲しい」という要望が上がったりした。
天満浦第1自主防災会の足立光弘会長は、全ての地区の中心的な人がもれなく参加してくれたことを喜び、「地区の分からないことが共有でき、他地区の情報も把握できた。活発に意見が出て、防災意識も高まった」と成果を強調した。
ワークショップは3回開く。第2回は来月中旬にタウンウォッチングを行い、その結果を踏まえて第3回で防災マップを再検討し、要援護者の避難方法なども検討する。