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紀南抄「モデル地区の重要性」

 新宮市自治会連合会が10月31日、市議会との懇談会で、独自のアンケートで自主防災組織の実質的な稼働が約16%しかない結果となったことを示し、危機感を募らせた。

 自主防の取り組みは、当地方では紀宝町が進んでいる。町民発信の防災イベントなどがある他、町行政が呼びかけ住民、有識者を集めたワークショップを積み重ねた。

 同町の取り組みのミソは、モデル地区を定めていることだ。ワークショップはまず鵜殿地区で行い、鵜殿をさらに6組に分け組ごとのルールブックを作った。タイムライン作成時にもモデル地区があった。

 先進的に集中して取り組む地区を決め事例を作り、その経験を全体に広げていくことでとっかかりになる。広域に同時に等しいサービスをしようとすると通り一辺倒なものになりかねない。

 「災害は明日来るかもしれないのにそんな悠長なことを」とする人もあるかもしれないが、平等性・同時性を重んじるあまり議論が遅れては元も子もない。せっかく「熊野」というよい言葉があるのだから、各市町村手を取り合って情報共有していただけたら大いに結構である。

【稜】

      11月 2日の記事

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