世界的な音楽家の坂本龍一さんが先月、71歳で亡くなった。坂本さんの代表作といえば、映画「ラストエンペラー」や「戦場のメリークリスマス」などのサウンドトラック。映画は見たことがなくても、テーマ曲を1度は耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。
私もこれらの映画は見たことがない。しかし音楽はCDなどでよく聞いていた。いま改めてじっくり聞き直してみると、波乱万丈の溥儀(ふぎ)の人生や、戦時下という異常な状況の中での人間ドラマが、音楽を通して頭の中にイメージされる。
私事だが、高校生の時に習字で、「秦の始皇帝」と「宣統帝溥儀」と書いたのを思い出した。中国の始まりと終わり。映画「ラストエンペラー」の荘厳なサントラは、その長い歴史のすべてが凝縮されているように感じる。
音楽は形がないからこそ、人々の心の支えとなり人生に彩りを与えてくれる。名曲はいつまでも人々の心で生き続ける。
思い出に浸る中で実家を捜索していると、「秦の始皇帝」の習字作品が出てきた。われながら結構上手に書けていると思う。
【織】