かつて、それは病気だった。ある国で、それは犯罪だった。そんな社会の中で声にならない悲鳴を抱えてきた人々の”思い”が今の「多様性」という考え方の源流として、皮肉にもある種の光として、私たちの生きる時代を照らしている。
性の多様性を訴え活動する「レインボーフェスタ実行委員会」が20日、堀順一郎町長に「パートナーシップ、ファミリーシップ宣誓制度導入を求める署名」計1万1798筆を提出。堀町長は「年明け早々にも」と制度導入を約束した。
署名集めに協力した一人が「署名してくれた高齢者の中には『男は男らしく、女は女らしく』と教育された経験から、頭でわかっていても抵抗感のある人もいた」と話していた。素晴らしいと思った。私含めどんな人の中にも“差別の種”はある。大事なのはそれに気づき、理解しようとする過程ではないか。
源流から那智勝浦町に届くまで、どれだけの時間がかかっただろう。その流れを力に変えてイベントで波を起こし、署名で形を作った同実行委のみなさんと、その個々人の歴史に賛辞を送りたい。滞りなく実現し、これがまた当地方の“源流”となるよう願う。
【稜】