紀望通りに飾られている、赤、黄、緑、青の提灯が夏空に映える。尾鷲の夏の華、おわせ港まつりが迫っている。
全国的な話として、花火大会の在り方が問われている。物価や人件費が上がって費用がかさみ、酷暑による熱中症のリスクもある。そもそも、天候に左右されやすいイベントでもあり、混雑や渋滞も発生し、花火による事故の可能性もある。それでもなお、花火は夏の風物詩として愛され続けている。
江戸時代の隅田川の水神祭で、飢饉や飢餓で亡くなった人の慰霊と悪霊退散を願った打ち上げ花火から全国に広まっていった。日本三大花火大会の一つともいわれる秋田県大仙市の「大曲の花火」は東西冷戦中のドイツベルリンの市制750周年に招待され、「ベルリンの空に壁はない」の名言が生まれた。花火は平和の象徴でもある。
近年評判のよい燈籠祭と、全国区の熊野大花火大会に挟まれて目立ちにくいが、おわせ港まつりの花火も立派で見応えがある。港まつりのない夏は考えられない。
(R)
