尾鷲市議会は行政常任委員会で2025年度の決算審査を行っている。11日に審査開始にあたり、西謙一代表監査委員が監査意見書の概要を報告した。一般会計については「歳入面では主な自主財源であるふるさと応援寄付金、依存財源である地方交付税の増額等がみられたものの、引き続き財政見通しは厳しい状況。中長期的な視野に基づく、適切かつ効果的な財政運営が肝要」などと語った。
一般会計の実質収支は約3億8370万円の黒字。西監査委員は、見通しについて「公共施設の老朽化対策や子育て支援施設の拡充。さらには津波避難タワー建設等の防災・減災対策、体育文化会館や中央公民館の整備といった大型設備投資が本格化するとともに、病院事業をはじめとする公営企業会計への繰り出し金増額も見込まれ、今後の財政運営は極めて厳しい局面を迎えると思う」と述べ、「急激な人口減少に伴う税収減と、公共施設の老朽化対策の両立は本市最大の課題」と指摘し、「将来世代に過度な負担を先送りしないよう、既存インフラの最適化と、新規投資の厳格な抑制を徹底し、中長期的な財政の健全化と、時代の変化に即応できる強固な財政体質の構築に取り組まれたい」と注文を付けた。
事業会計の決算は、病院事業会計のうち収益的収支は収入約37億9704万円に対し支出約43億7227万円。損益計算書の経常損失は約5億7692万円。特別利益と特別損失を加味した純損失は約5億7662万円で、25年度末の未処理欠損金は23億5956万円。
また、水道事業会計の収益的収支は収入約5億9789万円で支出約6億1015万円。損益計算書の経常利益は約9469万円の黒字となったが、三重紀北消防組合に土地を売却した際に発生した評価損として1億1020万円を計上したことから約1831万円の純損失となった。
病院事業会計について感想を求められた西代表監査は、まちなかの開業医が減少しており、病院の機能を縮小して健全化を図る手法では「尾鷲にかかる病院がなくなってしまう可能性が出てくる。縮小は考えるべきでない」との見方を示し、一方で現状では一般会計からの支援は難しいと述べた上で、病院の収益向上とともに、市が病院を支援できるようにする必要があるとの認識を示した。
