和歌山県立新宮高校の1年生約200人は13日、三重県熊野市内で建設中の近畿自動車道紀勢線国道42号熊野道路の工事現場を見学した。掘削中のトンネル内部や盛土工事などを見て回り、工事の概要や進捗(しんちょく)状況を確認した。また熊野尾鷲道路では、国指定天然記念物のヤマネの保全対策も学び、建設事業での環境保全対策の取り組みについても理解を深めた。
「初めての経験 とても勉強に」
熊野道路は、紀伊半島を一周する近畿自動車道紀勢線の一部をなす一般国道の自動車専用道路。熊野大泊IC~熊野市久生屋(くしや)町までの延長6.7キロで、現在は大泊町から木本町へつながる熊野第1トンネル(掘削延長866メートル)、木本町から井戸町へつながる第2トンネル(掘削延長1307メートル)の工事が進んでいる。有馬地区の熊野IC(仮称)付近の現場では、盛土・地盤改良工事が行われている。
見学会は、学校設定教科「くまの学彩」の一環で、昨年に続いて2回目。生徒は外部講師を招いて事前学習を行い、当日はクラスごとに熊野IC、熊野第1トンネル、尾鷲市の小原野地区の熊野尾鷲道路の3か所を見学した。
このうち熊野第1トンネルでは、尾鷲方面から掘削工事が行われており、現場担当者が工事の概要について説明。「発破工法で1回に1.5メートル、24時間体制で1日に3~4回行っており、現在、半分ほどまで掘り進んでいる。またバイオディーゼル燃料やLED照明を使用することで、二酸化炭素排出量を削減した環境に配慮した工事を行っている」などと伝えた。
生徒は、なかなか見る機会のない工事中のトンネル内部の様子を興味深そうに見渡しながら説明を聞き、熱心にメモをとっていた。山田琉斗さんは「初めて高速道路の上を歩かせてもらったり、トンネルを一から作るところを見せてもらってとても勉強になり、楽しい時間を過ごせました」と感想を話していた。