新宮市は２４日、市役所別館で会見し、新型コロナウイルス感染拡大対策に関する市独自の支援策について発表した。売り上げ減少など大きな影響を受けている市内飲食店等には定額１０万円を給付し、市民や事業所への支援としては、水道料金５月請求分（４月検針分）を全額免除とする。また、大型連休中の帰省自粛を求める代わりとして、同市出身の学生に対して地場産の米などを仕送りして生活を支援する。関係する予算などを２８日（火）に開く市議会臨時会に提案する。

　飲食店等への支援は、持ち帰りや宅配専門店を除き、スナックやバーなども含む約５００件を見込んでいる。申請は５月２日（土）～同３１日（日）で、市役所別館と郵送でも受け付ける。事業費は５２６０万円。
　水道料金の１か月分免除は、水道事業所管理の上水道約１万６０００件、簡易水道約８００件、農林水産課管理の飲料水供給施設（高田・熊野川地区）２７８件が対象。事業費は同事業所分約６２００万円、農林水産課分約３０万円。
　帰省自粛学生への支援については、地場産米５キロ、レトルト食品等に市長メッセージや市の観光パンフレット・はがきなどを付ける。新聞広告やホームページ等で周知し、保護者等を通じて申請してもらうことを想定している。申請期間は３０日（木）～５月３１日（日）。事業費は約４００人分想定の２４０万円。
　国の特別定額給付金事業の２８億４６００万円を含めた令和２年度補正予算案は２９億９５３６万８０００円。国の交付金のほか、財政調整基金から１億円を繰り入れる。
　田岡実千年市長は、新宮市では２４日現在で感染者は出ていないものの、不要不急の外出自粛を行う中、市民生活や地域経済は大きな打撃を受けているとし、市独自の支援策を打ち出したと説明したうえで、「今回は第１弾で、今後も刻一刻と変化する状況等に応じて、第２弾、第３弾の支援策を実施していきたいと考えている」と述べた。