逆転勝ちに貢献
キック4本決める
全国高校ラグビーフットボール大会に付随して実施される第18回U18合同チーム東西対抗戦は5日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で行われ、和歌山県立新宮高校3年の松畑孔晴さんが西軍の一員として出場した。同校から初めて選出された松畑さんはスクラムハーフとして前後半60分をフル出場。後半にコンバージョンゴールを4本中4本とも決め、自身計8得点で35—26の逆転勝ちに貢献した。「花園でラグビーができるのがうれしかった。大事な得点源になれた」と感慨深げに語った。
西軍は開始直後に7点先制したが、攻撃ラインを上げられて苦戦し、加点できないまま後半に入った。松畑さんが中盤で踏ん張り追加点を許さず、12−26と追い上げたところでキックを担当。右足で冷静に決め「一本も外せない状況だった。責任感を持って蹴った」。
圧巻は後半10分以降。7点差に詰め寄った場面から3回連続でキックを任され、3本ともゴールした。まさに独壇場で、親族やかつてのチームメイトらがいる大観衆で埋まった客席から上がったどよめきは歓声に変わり、対抗戦は準決勝の前座試合の位置付けにもかかわらず、負けない声量を一身に浴びた。
■得意技術で存在感
キックは松畑さんが最も得意とする技術。昨年3月、才能に目を付けた新宮高OBがアジア初のラグビープロキックコーチ団体「JEK」の君島良夫氏を招へいし、直接指導を仰いだ。NTTコミュニケーションズなどで活躍した名キッカーから、ポジショニングや蹴る前に重圧に勝つ方法を学んだ成果が大一番で生きた。「決めた瞬間、ほっとした。同点に追いついたところだったので緊張したけど、余計な力を抜いてできた」とうなずいた。
前々日から設けられた練習日や、試合時間をフィールド上で過ごす中で、敵味方関係なく全員のレベルの高さを痛感した。「各々に芯があって合わせるのが大変だった」というが、小学4年生から競技を始め、強豪・近畿大学附属和歌山高校でもプレーした経験値の高さから、新宮高のチーム内で立ち回りを一任されるだけあり、背中で語ってみせた。
試合後は関西高校少人数校交流大会をともに戦った近畿選抜の面々から記念撮影を求められ、「姿を見つけると前向きな気持ちになれた」と笑顔で応じる姿があった。
創部100年の歴史を誇る名門・関西大学ラグビー部への合格が決まった。基本的に一般入部が許されない厳しいセレクションを突破し、伝統の紺色のユニフォームに袖を通すことになる。対抗戦を「守備があいまいになっていた。もう少しできた」と決して浮かれることなく振り返る冷静さと勝負強さは、関大でも認められるはずだ。
新宮市から新たに誕生したスターは「次の舞台でできることに感謝する。今から準備を進めたい。強豪校出身の選手ばかりだから」と前を向いた。
