加藤千速尾鷲市長は19日、市議会定例議会が25日に始まるのを前に会見し、令和7年度当初予算などについて説明した。また、任期満了に伴う市長選挙に向けて「定例議会中に身の振り方を表明したい」と述べた。
当初予算は、一般会計が121億4142万4000円、特別会計は国民健康保険事業会計が21億7082万1000円、後期高齢者医療事業会計が7億3250万3000円、企業会計は病院が51億4942万7000円、水道が9億491万7000円で、総額210億9909万2000円。
一般会計は、市長選挙を控えて骨格予算となったが、多目的スポーツフィールド(野球場)整備11億1300万円や人件費の引き上げ(2億319万7000円増)や物価高に伴う物件費の上昇(2億4519万2000円増)などの影響で、ここ20年ほどの間では最大の予算規模となっている。加藤市長は、計画的に進めている事業は当初予算に盛り込んだと説明。規模感については「本市の状況からしたら大型になっていることは否めない」との認識を示した。方針として、できるだけ有利な補助金を満額使えるように努力したと説明した。
主な事業は、こどもの居場所づくり事業として、九鬼・早田・北輪内・南輪内の各地区で、学校が早く終わる水曜日にコミュニティーセンターの開館時間を午後5時までに延長するとともに見守りボランティアを配置する。また、市内全域を対象としたこどもの居場所づくりに取り組むとともに、生活支援や要保護児童支援の強化も進める。
これまで取り組んできた「尾鷲育」は、県の「みえ子ども・子育て応援総合補助金」を活用して、全ての学校に広げる。補助金による事業では、小中学校の学校給食の無償化を継続するほか、放課後児童クラブを利用する児童の長期休暇中の昼食について配達業者から提供してもらえる仕組みをつくり費用の一部を補助する。
尾鷲総合病院については「経営は大変厳しい。入院がかなり落ち込んでおり、人口減少のため外来も減っている。医師不足、看護師不足などへの対応も踏まえ、どうするべきか分析中」と話した。