紀北町の熊野古道ツヅラト峠道で17日、クマが目撃された。これを受けて、三重県は尾鷲市と紀北町に「クマアラート(注意報)」を発令した。6月16日(月)までの2か月間。
長島の多目的会館を訪れた男性から「クマらしき動物を2匹見た」と目撃情報があった。大紀町から紀北町へツヅラト峠を歩いていたところ、頂上から20分程度のところで午前10時ごろに目撃したという。
クマアラートは、月単位で過去5年間の出没件数の平均値の2倍を超えた場合に発令し、尾鷲農林水産事務所管内では過去5年間、4月に目撃情報がなかったため、注意報発令となった。尾鷲管内における発令は今年に入って初めて。
町は目撃された場所を確認し、目撃地点と登り口、登り口付近のトイレの3か所に注意看板を設置し、パトロールをおこなった。町内では昨年49件の目撃情報があり、今年1月にもツヅラト峠で目撃情報があった。
県は、山野(森林内)等に立ち入る際は、鈴、笛、ラジオなどの音のするものを携帯し、単独行動は避けることを呼び掛け。住民に対しては、クマの餌となる生ごみ、不要となった果実や農作物などは除去し、クマを誘引する家畜飼料、塗料や燃料は鍵のかかる場所で保管するなどして適切に管理することなどを求めている。