尾鷲神社の例大祭「ヤーヤ祭り」は2日から名物の練りが始まり、野地町と南町の祷屋前で勇壮な練りが繰り広げられた。
3日連夜の「ヤーヤの練り」は午後7時ごろから行われた。1番祷の野地町の祷屋周辺には時間前から多くの見物客が集まった。野地町の若衆が意気揚々と待ち受ける中、手伝い町が次々と到着し、掛け声を合わせながら体をぶつけ合って押し合いを展開。休憩をはさみながら、1時間余り、飽きることなく繰り返した。2番祷の南町は午後7時ごろから30分余り練りを行った。「チョーサじゃ、チョーサじゃ」の掛け声が響いた。
練りを終えると、野地町、南町ともに、尾鷲港の魚市場に向かい、身を清める垢離(こり)かきを行った。下帯姿の若者が海に飛び込んで、柏手(かしわで)を打って祈りをささげた。
野地町で垢離かきをした杉本将章さん(25)は「練りは初日からとても盛り上がった。垢離かきは飛び込んだ時は寒かったが、手を合わせた時はそれほど寒くなくなった。この伝統のある祭りを引き継ぎ、決して廃れさせないように、しっかりとやっていきたい」と話した。南町の男性(46)は「(海の水は)めちゃめちゃ冷たかったけど最高です」と笑顔を見せていた。
野地町では垢離かき後、さらに延長戦で午後10時前まで練りを楽しんだ。
1日夜には「在回り」が行われ、雨の中で若衆らがまち練り歩いた。祭りの始まりを伝える行事で、新型コロナ禍前は全町が集まってまち全体を巡っていたが、祷務町が2つに減ってからは、各祷務町が手伝い町とともに地区内の主要な道路を回る形に変わった。
日暮れとともに小雨が振り始める中、それぞれの祷屋には祷受町や手伝い町の若衆が続々と集まった。2番祷の南町は予定通り午後7時には8町がそろい、列をつくって出発。役人の後に、高張りちょうちんを手にした若衆が続き、ほら貝や太鼓の音を響かせながら「チョーサじゃ」と勇ましく叫び、祭りの始まりを伝えていった。途中に尾鷲港の魚市場に寄り、高張りちょうちんを海面につけて清めた。