尾鷲市は13日、体育文化会館と中央公民館などの耐震長寿命化、施設統合に関し、両施設の基本設計を議会行政常任委員会に示した。体育文化会館の1階を図書館とし、新たに2階を設けてアリーナとする。中央公民館2階は、子どもの居場所となるような施設にする。
設計に当たった東原建築デザイン・金箱構造・スターバロッツ特定建築設計共同企業体の田中隆吉さん、東原克行さんが委員会に出席し、説明した。
体育文化会館は、1階を図書館として、個人ブース、子どもコーナー、読み聞かせ室などをつくる。書架の中央には枝をひろげたヒノキをイメージした飾り柱を作る。また、玄関ホール横にラウンジとカフェを設置するほか、南側にヒノキテラスをつくる計画。また、現在舞台になっている部分はトレーニングルームにする。
2階は20センチの厚さの土台に、バドミントンコート6面分の広さのアリーナとする。4基のエアコンをつける予定。地面に箱を置いて上部が体育館の床になるイメージという。
質疑では、2階の音や振動が1階に伝わらないかの説明や、避難所として利用が可能か、維持管理費用が課題にならないかなどの質問が出た。
耐震について田中さんは、図書館となる部分に体育館部分の箱の荷重はかからないと説明。震度6の地震があっても「外壁など多少は損傷を受けるかもしれないが、天井が落下することはない設計」と説明した。また、外壁と内部は別構造になっているとし、建設課の建設課の上村元樹参事は「(構造同士が)ぶつかりあったりしない設計になっている」と説明した。
委員からは「ぶつからない」との説明に不安を訴える声が出た。また「玄関がつぶれると施設が無事でも使えなくなる。入り口だけはIS値を上げて」と要望があった。
このほか、「子どもの声が個人ブースで勉強している人にも聞こえる」との意見に対し、田中さんは「配置を見直す」と述べた。また、トレーニングルームで太鼓の練習が行われることについても防音対策を再検討するという。
体育館では、観客の視線をさえぎる形でエレベーターが設置されることや、用具室の広さについても再検討を求める意見があった。
中央公 児童館的施設に
中央公民館の2階は現在の図書館部分を「こどものリビングルーム」た子育てボランティアの部屋などにする。また、会議室の一つをあおさぎ教室とし、調理室を廃止して調べ学習室とする。議員からは、講堂の照明を明るくすることなどへの要望があった。一方で、雨の時の子どもの遊び場を求める声が大きいことに関連し、「児童館的な施設になる」と歓迎する声が出た。
本年度中に詳細設計を行うことになっている。