加藤千速尾鷲市長は27日、12月定例会を前に記者会見を開いた。任期満了に伴う市長、市議選がおよそ半年後に迫っているが、「70周年事業など大型事業を抱え、公務に専念している。この後も予算編成があり、要望活動(での出張)もある。何も決めていない」と述べ、明言を避けた。
一般会計補正予算案(第7号)については、歳入のうち寄付が4億4283万円の追加となた。内訳は、タレントスクエアから10万円、中部電力から4億円、尾鷲みどりの協会から2230万円、あきんどスシロー、サカイ引越センター、八千代エンジニヤリングから合わせて1899万円、中山製鋼所から50万円、明治安田生命から94万円。
このうち、中部電力からの4億円と尾鷲みどりの協会の2230万円は基金に繰り入れ。明治安田生命からのものは骨密度測定装置の購入に充てる。また、夢古道の湯改修として、LED照明取り替え、券売機導入、ウッドデッキ修繕、浴室シャワー水栓およびデジタルサイネージ2台の購入など1029万9000円を投入する。うち500万円をスシローからの寄付、529万9000円を、基金に入れていた信金中央金庫からの寄付を充てる。また、ゼロカーボンシティ推進基金積立金に1458万6000円を積み立てる。
有害鳥獣の捕獲報償金は251万8000円を追加する。当初予算時の見込みよりもシカの捕獲数が多くなっており、208頭分の予算を加える。サルも59頭分増やす。一方、イノシシは26頭分減らす。
病院事業会計は医業収益を3億5326万8000円、医業費用と医業外費用を合わせて1億9007万7000円減額する。
加藤市長は、特に入院患者が当初の利用見込みを2割程度下回っており、新型コロナウイルス感染症拡大前の状況に戻っていないと説明。同病院の患者が減少している理由についての分析はまだしていないと述べる一方、「広報を必死になってやっていかないといけない。地域唯一の総合病院だが、病院経営が厳しくなっている」と述べた。
大型製材工場誘致に関しては、事業者進出の前提となる当面年間10万立方メートルの原木確保の見通しが「ほぼ立った」と述べ、「積極的に誘致活動ができるようになった。市内の経済活性化、雇用創出にとって大きな話。なんとか誘致できるように頑張りたい」と話した。
尾鷲市出身の石伊雄太さんがプロ野球・中日ドラゴンズにドラフト指名され、阪神タイガースの湯浅京己投手、西武ライオンズの上田大河投手、石伊捕手の3選手が同時期にプロで活躍するようになった。加藤市長は「3人には来期、頑張っていただきたい。楽しみにしている」とコメント。下村新吾副市長は「新野球場が完成したら、オフに帰省するなら、(3人の出身の)少年野球の指導をお願いしたい」と希望を述べた。