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歌と太鼓も次世代へ 本番へ向け練習熱く 神内踊り保存会

 紀宝町神内地区に伝わる盆踊り(昔踊り)を継承する「神内踊り保存会」は、8月14日(金)の納涼大会に向けて練習に励んでいる。一度は途絶えかけた伝統を昨年度、子育て中の母親世代が中心となって保存会活動を再開させた。今年は踊りだけでなく、生歌と太鼓の習得にも挑戦し、地域文化を次世代へつなごうと奮闘している。
 
 「トン、トトン」。夜の訪れとともに、練習場所の神内会館に太鼓の音が響く。ほどなく1人が歌い始め、その声に呼応するように周囲から合いの手が重なる。昔から受け継がれてきた独特の節回しが、少しずつ輪になって広がっていく。
 
 同地区の盆踊りは、生歌と太鼓演奏に合わせて踊るのが特徴。現在、歌い手である音頭取りは上前田定さんと田尾順司さんの2人、太鼓打ちは猿口芳志さん1人が担っているが、いずれも70歳を超えており、後継者の育成が課題となっている。
 
 そこで今年は、昨年踊りの継承を支えた母親4人を中心に、今月1日から生歌の練習を開始。2回目となった15日の練習では、前回の「やっせのせ」「まるくなれ」の地元踊りに続き、「甚句(じんく)」「江州音頭」などを教わった。
 
 「甚句」は、七里御浜や新宮市鍛冶町、那智山など地域ゆかりの地名が歌詞に織り込まれた親しみやすい曲。師匠がまず歌を披露し、参加者は節回しや歌詞をメモしたり、録音したりしながら何度も声を合わせる。生歌は歌い手だけでは成り立たず、周囲の合いの手が加わることで初めて調子が整うため、参加者全員でタイミングを確かめながら熱心に練習を重ねていた。
 
 保存会の和田志保会長は「祖父や祖母、曽祖父らが歌い手を務めていたので、小さい頃から歌を聞いて育ったが、実際に歌うとなると今の歌とは全く違い、音程やリズム、節回しがとても難しい」と話す。上前田さんの息子の亮さん(50)は「本格的に歌に取り組むのは初めて。練習を重ねて本番を楽しみたい。もっと輪が広がり、みんなで引き継いでいけたら」と意欲を見せる。
 
 一方、太鼓は同地区在住の楠本貴之さん(38)が練習中。楽器演奏が好きで和太鼓の経験もあり、上達も早いという。「地域に若い人が少なく、誰かがやらなければという思いで始めた。皆さんにリードしてもらいながら、本番までに仕上げたい」と意気込む。
 
 指導に当たる師匠らは「若い人たちが地域を盛り上げ、伝統を受け継ごうと頑張ってくれて本当にありがたい。私たちも精いっぱい教えたい」と期待を寄せる。
 
 8月7日(金)には全体練習を行い、14日に神内小学校で開かれる納涼大会で披露する予定。同会では地域を問わず会員を募集しており、活動の様子はインスタグラム(▼QRコード参照)でも発信している。
 
 
▼インスタグラム

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