三重県立尾鷲高校は6日、普通科の2年生が地域課題の解決策を考える「まちいく」の発表会を行った。校内選抜による6グループのうち、4グループが尾鷲市の魚食と尾鷲ヒノキの振興、空き家対策、ごみ問題について解決策を披露した。
地域を支える次世代を担う人づくりを目的とし、毎年普通科2年生が尾鷲市と紀北町の地域課題の解決に取り組んでいる。昨年度までは尾鷲市と紀北町がそれぞれ課題を提示していたが、本年度は生徒が各自で課題を決める形に変更。同じ課題はまとめてグループをつくり、合計21の課題に対してレポートが提出され、6グループが発表した。
「尾鷲市の魚の消費量を増やすには」をテーマとしたグループは、自炊をしている高校の先生にアンケートをとり、生臭さや調理に手間がかかる点を問題にした。調理法や生臭さ対策の積極的な情報発信、ふるさと納税の強化、スーパーの魚コーナーに生臭さ対策の香辛料の売り場の設置、調理しやすいような加工などを提案し、「漁師の人手不足や魚の消費量が減っていることが問題。尾鷲の魚を増やして、ほかの県の人にも尾鷲の魚を知ってもらいたい」と力強く語った。
「尾鷲にはたくさん木があるのに、なぜ活用されていないのか」と問いかけたグループは、強度が高い尾鷲ヒノキを災害の多い国や発展途上国に支援として輸出することを提案。「そのためにも国内で尾鷲ヒノキの魅力を知ってもらい、注目を浴びる必要がある」とし、駅へのポスター掲示、イベントでの木工品の採用を目指すべきだとした。「今後も尾鷲ヒノキに対する理解を深め、林業に携わる方々をリスペクトし、担い手不足も探究したい」と語った。
空き家問題については、良質な木材の立派な家も多く、馬越峠に来た観光客がすぐに帰ってしまうことなどに着目し「空き家と外国人をつなげる」ことを提案。空き家をヒノキの箸作りや魚料理の体験できる展覧会の会場にし、オハイや熊野古道を回るツアーに組み込むプランを提示。「安く宿を貸した外国人に英会話教室のようなものを開いてもらえれば、海外の人との交流する機会もつくれる」とアイデアを語った。
「尾鷲市の海、山、川、町に落ちているごみを減らし、その状態を保つにはどうすればよいか」という課題を設定した生徒は、コンポストや生分解性プラスチック、清掃活動などの解決方法の長所と短所を比較し、ごみ拾いをスポーツとして楽しむ「スポごみ」に着目。クイズ大会やアニメ作品などのイベントを共同で開催して参加者を集め、学校単位で行うことによってごみ問題を学ぶ機会にもなる、と提案。「まちなかに落ちているごみを拾うことで、環境への意識が変わり、課題解決につながるのでは」と語った。
生徒の提案に聞き入っていた加藤千速尾鷲市長は講評で「毎年まちいくを楽しみにしている。4つとも尾鷲市が抱えている大きな課題であり、一生懸命取り組んでいるが道半ば、という状況。皆さんの発想には壁がなく新鮮で、このアイデアをうまく取り上げていく必要がある」と語った。
紀北町の2つの発表は後報。
