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紀南抄「伝統の相撲大会の思い出」

 先日、第56回東牟婁地方中学校相撲大会が行われ、本紙でも報じた。選手宣誓を務めた生徒の「伝統ある大会に出場できて光栄」と、大会長の「体格差があっても技が上回ることもある。力と技を思う存分発揮してほしい」の言葉が印象に残った。

 父の影響で幼い頃から大相撲のテレビ中継を見ていた。”小さな大横綱”千代の富士の53連勝は今でも記憶に残っている。度重なる肩の脱臼などのけがに耐えながら、自分より大きな相手を豪快な上手投げで仕留める姿にあこがれた。そして”郷土の星”久島海。番付運に恵まれず三役には上がれなかったが、相手を抱え込んでの小手投げやきめ出しの取り口が好きだった。

 中学校相撲大会にはもちろん出場。当時は新宮高校相撲場が会場で、入りきらないほどの参加者だった。体は小柄だったが大相撲を見ていたおかげで取り口には自信があり、緊張感よりもワクワク感が大きかった。技で勝負して3年時はベスト8に入れたのは良き思い出。

 今大会は参加者が少なかったそうだ。少子化の影響はあるが、伝統の大会が絶えることなく続くことを願う。

【F】

      12月18日の記事

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