紀南地方の子どもたちのスポーツを取り巻く環境が大きな変革期を迎えている。中学高校のクラブ活動では、団体競技で学校単位のチームが組めず連合に。かつては小学校ごとにあった野球やサッカーのスポ少も統合が進んでいる。
三重県側はさらに深刻である。野球に限って言えば、紀宝町では2年連続で統合があり、今年からは自治体を超えて御浜町と2町で唯一のチームとなった。来年度には熊野市でも1チームとなる可能性。中学校部活動の地域移行も進んでおり、紀宝町~尾鷲市の生徒が1つのチームで活動している。もはや南郡熊野市で大会が成り立つ状況ではなくなってしまった。
子どもたちのスポーツの選択肢が狭まるとともに、以前は自転車で通える距離にあった練習場所が遠くなったことで、送迎が保護者の大きな負担にもなっている。
さまざまな改革案が模索される中、県立新宮高校の部活動が母体となって、地域と連携した総合型スポーツクラブを設立するなど、新しい動きもある。この活動が起爆剤となって地域のスポーツを活性化することが期待される。
【織】
