先日、尾鷲市早田町で、祖母が早田で暮らしていたという落語家、笑福亭呂翔さんが、引本出身の笑福亭鶴二さん、月亭柳正さんと、早田コミュニティーセンターで落語の会を開いた。落語のほか、呂翔さんは南京玉すだれの芸を、鶴二さんは三味線を弾きながら都々逸を披露。予定より長い約1時間30分。住民に混じって大いに堪能させてもらった。
ところで落語の公演は、新聞にとって「書きにくい」話題の一つである。動きのあるものは動きを描写する。講演などは内容を書く。落語の筋と落ちを詳しく記事にするのは、それこそ野暮だろう。
多くの人が、タイトルを聞けば筋が分かる話は、記事にしやすい。「『最後に、熱いお茶がほしい』と下げると会場から大きな笑いが起こった」と、それらしく描写ができる。
さて、呂翔さんは「機会があればまた来たい」と話していた。この地域では、生で落語を聞く機会は限られている。ぜひ、2年に一度でも1年に一度でも「ふるさと寄席」を開いてもらえるようになればいい。
(M)
