先日、熊野市で30代女性が約540万円をだましとられる特殊詐欺事件があった。警察官や検事が登場する劇場型。「事件であなたの携帯電話が使用されている。携帯の名義を売ったのではないか」というのが取り掛かりだったよう。「やっていないことを証明するには、あなたが持っているお金を調べないといけない。お金を振り込むように。調査が終われば返金する」などと言われ、小林検事を名乗る男の指示で振り込んでしまった。
変わっているなと思ったのは後日、「名義を売ったのではないか」と言ってきた刑事を名乗る者からメールで「熊野署で返金手続きをする」と連絡があったそう。
被害者が熊野署へ行くと、犯行が発覚する。犯人は当然、捕まらない自信があるのだろう。警察をなめていると言ってよい。
名目はさまざまあるが「金を調べるので送金せよ」というのはよく聞く手口。ATMから出て来る現金を調べても意味がないのは、考えればすぐ分かる。まず落ち着くことが被害防止につながる。
(M)
