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社説「冬支度の注意点に意識を」

 二十四節気の「立冬」を迎え、季節は秋から冬へと移り変わろうとする中、このところの冷え込みで暖房器具を急いで準備し、早速使用を始めたという家庭も多いのではないか。11月9日(日)~15日(土)は秋の全国火災予防運動が実施される。火災は一瞬にして人命と財産を奪う。少しの油断や不注意で発生することも多い。年末にかけて寒さとともに日常生活が慌ただしくなるが、火の取り扱いは決して慌てることなく、安全第一を心掛けてほしい。

 新宮市消防本部は、暖房器具を使用する前には点検や掃除を行うよう呼び掛けている。調子が悪い器具は使用する前にメーカーや店舗に修理を依頼する。灯油を燃料とする石油ストーブに関しては、最近の製品は安全装置が付いているものの、古い製品だと一層の注意が必要。前年の燃料を器具に残したままの再使用は不完全燃焼で火災につながる可能性があり、余った燃料は廃棄する。
 
 電気コードを伴う器具は収納時にコードを固く束ねないようにする。折り返すように束ねて固定し長期間置くと、コード内のより線が断線し、出火の危険性がある。束ねずに輪っか状に保管する。使用の際は、洗濯物やカーテンなど燃えやすいものの近くに器具を置かないこと。たこ足配線も控える。基本的なことだが、外出前や就寝前には必ず火の元を確認し、調理でコンロを使用する場合はその場を離れないようにする。
 
 また、寒くなると健康面にも注意してもらいたい。インフルエンザは高熱や関節の痛みなどを伴い、人によっては重症化するおそれもある。流行を防ぐために、原因となるウイルスを体内に侵入させないことや周囲にうつさないようにすることが重要。流行状況や規模はシーズンによって異なるが、例年11月下旬~12月に患者が発生し始め、1月に入りその数が急増すると2月前後でピークとなり、4月には終息していくパターン。しかし今シーズン、和歌山県では昨年より5週間も早く10月中に流行期に入り、県がこまめな手洗いや換気など、基本的な感染予防対策を行うほか、ワクチン接種も検討するよう求めた。
 
 各自治体には、火災予防や感染症予防について、公用車や防災行政無線を使い、住民の意識向上につなげてほしい。
 

      11月 7日の記事

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