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社説「4年に一度の選挙の重要性」

 激しい選挙戦を制し、新宮市にとって16年ぶりに誕生した新たな市長、上田市政が10月30日スタートした。上田市長は市議出身で、現在の幹部職員とは、政策について説明を受けたり、議場で論戦を交わしたりしていた。立場は大きく変わったが、まずは良好な関係を築いて庁内をまとめ「チーム上田」で市政運営にあたってもらいたい。

 選挙戦で掲げた公約は、生活に密着した施策について、財政担当と調整してできる限り早く取り組みたいとし、津波避難タワー建設などの防災対策は、地元の声を聞き意向を反映したものを目指すとしている。4年の任期中に実行するもの、道筋をつけるものとあるだろうが、本紙でも公約実現の行方は注視していきたい。
 
 また、三輪崎支所や熊野川行政局で公務を行う日を設け、広く市民の声を聞く環境の構築にも意欲を見せる。対話重視を掲げる上田市長らしい施策ではないだろうか。市民と市長との距離感が近いほうが住民サービスも良い方向に進むだろう。
 
 本紙エリアでは選挙が続く。11月16日には御浜町議選が投開票される。同町議選は4年前の前回、無投票だった。補欠選挙を除いては初めての無投票で、今回の動向が注目されるが、先日行われた事前審査では定数10に対し11人が済ませていることから、選挙戦になる可能性が高い。この中には、現職町長の子息も含まれているが、当然のことながら住民の代表として町長と対峙し、是々非々の議論を行う気持ちで選挙戦に臨んでもらいたい。各地で議員のなり手不足により無投票当選が増えていることに関して、同町のある現職議員に話を聞くと、「無投票だと議員の気持ちも緩んでしまうため、選挙はあった方がよい」と心境を明かす。
 
 4年に一度の選挙は、公約を掲げるためにまちのことを真剣に考える貴重な機会にもなる。議員は住民の信任を得て選ばれてこそ、高い志と責任感をもって仕事に取り組める。選挙は現職にとって通信簿のようなもので、新人にとってはまちのことを一生懸命に勉強して臨む試験との見方もできる。選挙の重要性は議員だけでなく住民にとっても同様で、まちの将来を想い自らの1票を託すことができる。その機会がむやみに失われるようであれば定数や報酬などを時代に応じたものに変えていくことを検討すべきではないか。
 

      10月31日の記事

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