学生のころ、北海道を旅行した。お金がなかったので、宿泊はすべてテント。ほとんどキャンプ場を利用したが、田舎のフリーサイトで他に誰もいない夜を過ごしたこともある。圧力鍋でご飯を炊き、地元スーパーなどでおかずを調達し、たまに名物のラーメンや海鮮を味わった。
森進一の歌で憧れていた襟裳岬で何もない春を確認し(行ったのは夏だが)、カムイワッカの滝上りで滑って転び、有珠山の噴火で灰に埋もれた洞爺湖周辺を見て自然の脅威を感じた。財政再建団体前の夕張市でメロンを食べつつ炭坑博物館でマネキンのリアルさに驚き、網走監獄博物館で再び突然現れるマネキンに驚かされた。
北海道は、厳しい自然とともに歩んできた歴史なのだなあと振り返って思う。とともに、最近しょっちゅうニュースになっているヒグマの恐怖から、もうキャンプなんて気軽にできなくなってしまっただろうと残念にも思う。
全国でクマによる被害が相次いでいる。死者数は統計開始以来、過去最悪になるという。昔のように、人間とクマが共存して生きていく道はないのだろうか。
【織】
