〝フキハラ〟という言葉があるらしい。記者になったころは「セクハラ」という語句が紙面に載り始めてしばらくたった時分。「セクシャル・ハラスメント(性的いやがらせ)」とかっこ書きで説明をしていた。「ハラスメント」という言葉も市民権を得た。
続いて出てきたのは「パワハラ」という言葉だったか。そのうち「アカハラ」や「カスハラ」という言葉が作られた。いまのところ記事の本文では略語だけで使うことはないだろうが、そのうち本文で使う表記になるかもしれない。
フキハラは「不機嫌ハラスメント」の略とのころ。会社組織でいうと上司が不機嫌なように見えるのは、それがその当人にとって普段通りでも、部下には近づきにくい雰囲気に思える。
不機嫌が高じてパワハラ的な言動になるのはいけないこと。とはいえ不機嫌にならないこともむずかしい。
言葉ができることで概念が整理され、課題が見えることがあるが、度が過ぎて暮らしにくくなるといけない。「パワハラ」もそうだが、言葉がひとり歩きするのは問題だ。
(M)
