紀北町は平成の大合併でも同規模の2つの自治体によるケース。さらに人口密集地は離れ、集落も点在し、単純な集約化は難しい。
海山と紀伊長島の区分だけでなく、各地の文化や名所に個性が光る。銚子川に馬越峠、魚まちと、多くの観光資源の引き出しがあるが、この長所は転じて課題にもなる。
海水浴場だけをとっても、インフィニティプールが併設された城ノ浜、温泉と民宿街のある古里、プライベートビーチのような風情を持つ和具の浜、さらに黒浜と比幾もある。全てが個性を発揮しながら誘客できるのが理想だが、人口減少が進む中で維持できるのか。
役場と社協、公民館、図書室、郷土資料室は町内に2つずつある。集約すべきと言うのはたやすいが、住民サービスへの影響を考えれば難問である。
来月の町長選では、都市計画としての紀北町の在り方を議論すべき。バランスをとりながら町は維持できるのか、選択と集中に踏み切るのか、その際の優先順位付けはどうするのか、各候補者の意見を拝聴したい。
(R)
